行事食から摂取する、冬の肌に有用な栄養素
師走に入り本格的な冬の到来を迎えました。
この時期は食にまつわる行事がたくさんあり、食生活が乱れがちです。
例えばビタミンが不足した偏った食生活を送ると、
肌の乾燥、バリア機能の低下が起こります。
このような肌の状態は紫外線の影響をさらに受けやすくします。
夏の日焼けダメージが十分に回復されていない方は特に要注意です。
夏に受けた日焼けダメージの回復、肌の乾燥・バリア機能の低下を防ぐ…
今回はそんな季節におすすめの、
日焼けした肌のダメージ回復によい栄養素を含む料理をご紹介します。
日焼け後に適した栄養素
日焼け後には「ビタミンACE」が有用だといわれています。
ビタミンA(βカロテン)
生き生きした皮膚、健全な粘膜、つややかな髪、そして視力維持に必要な栄養素です。
ハリと潤いを保ち、バリア機能を高めます。
また免疫力を高める効果が期待されるため、皮膚の免疫能の維持にも役立ちます。
βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンC
メラニン色素の沈着防止、コラーゲンの生成、血管壁の強化に必要な栄養素です。
抗酸化作用があるため、紫外線に含まれる活性酸素を抑える働きがあります。
また、潤いある肌のもととなるコラーゲンの生成に必要です。
ビタミンE
皮膚の血液循環改善、過酸化脂質の生成抑制に必要な栄養素です。
お肌の新陳代謝といわれるターンオーバーを正常に保つ働きを持っており、
血行をよくすることで新陳代謝を高める働きがあり、
日焼け後の摂取に適しています。
ビタミンCと一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。
行事食とビタミンACE
冬至
2019の冬至は、12月22日(日)です。
1年のうちで日の出から日没までの時間が最も短い日で、
南瓜を食べ、柚子湯に入る風習があります。
南瓜の煮物
南瓜は体内でビタミンAに代わるβカロテンを多く含んでいます。
またビタミンCやビタミンEなどの大切なビタミンを、バランスよく含んでいます。
忘年会
1年間にあった出来事を振り返り、
苦労や疲れ、嫌なことを忘れるために行われる宴会です。
日本では鎌倉時代から「としわすれ」として一晩中和歌を詠むような行事が始まり、
江戸時代には現在のように、お酒を飲んで賑やかに楽しく過ごすスタイルが
確立されたとのことです。
枝豆
とりあえずのビールとともに注文したい枝豆は、
大豆には含まれないビタミンCを多く含んでいます。
ほっけの開き
身離れがよく食べやすいほっけの開きは、
ビタミンAとビタミンEが多く含まれています。
ビタミンCを豊富に含む大根おろしを添えれば、
一皿でビタミンACEの完成です。
クリスマス
イエス・キリストの誕生を祝うお祭りで、
クリスマスツリーやリースを飾り、プレゼントを用意、
家族や大切な人とご馳走を食べて過ごす人も多いかと思います。
クリスマスケーキ
クリスマスケーキに欠かすことのできないいちごは、
果物の中でもトップクラスの、ビタミンC含有量を誇ります。
チーズフォンデュ
大勢の人が集まるクリスマスパーティー、見た目にも鮮やかで、
さまざまな食材に温かいトロトロのチーズをたっぷりつけて食べる、
チーズフォンデュはいかがでしょうか。
チーズの脂肪分の中にビタミンAがたっぷり含まれています。
ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミンのため、
油脂類と一緒に摂取すると吸収率が高まります。
また具材には、ビタミンCをたっぷり含むブロッコリーが最適です。
大晦日
「晦日」という言葉は月の最後の日という意味を示し、
1年の終わりである12月に「大」が文字の前に付き、
「大晦日」と呼ばれるようになりました。
この大晦日には、煩悩を改め正しく清らかな心で新年を迎えるために除夜の鐘をつき、
1年の苦労や厄災を断ち切り、健康長寿と家運長命の願いを込めて、
年越しそばを食べる習慣があります。
年越しそば
おそばに欠かせない天ぷらのエビにはビタミンEが、
薬味に入れる青ネギには、
βカロテンとビタミンCがたっぷり含まれています。
お正月
年神様をお迎えするための行事で、
年神様が迷わずやってくるための目印として門松を飾り、
年神様に供えるための供物料理のおせちを食べたりします。
おせち料理
紅白なます
赤と白でお祝いの水引を彷彿とさせる紅白なますに入っている
人参にはβカロテンが、
大根にはビタミンCが豊富に含まれています。
栗きんとん
美しい黄金色から金運を開くといわれる栗きんとんのさつまいもは、
ビタミンCが豊富です。
ビタミンCは熱に弱いといわれますが、
さつまいもは過熱ででんぷんが糊化し、
膜をつくってビタミンCを保護するため、
加熱しても壊れにくいというメリットがあります。
田作り
豊作を祈願して食べる田作りに使われる小魚には、ビタミンEが含まれています。
肌のトラブルが多いこの時期ですが、紫外線対策を怠りがちです。
十分な保湿と日焼け止め(サンスクリーン剤)を忘れずに使用し、
ほんの少し意識して栄養素を摂取して体の内側からも日焼けのケアを行い、
肌のバリア機能を高めて紫外線対策に努めましょう。