コラム
飲む日焼け止めについて
2017.05.18
ここ数年で、「飲む日焼け止め」を様々なところで見るようになりました。経口サプリメントもたくさん出てきていますが、現在、「飲む日焼け止め」はサンスクリーン剤のような効能は科学的に証明されていません。
抗酸化等の作用があるとすれば、日焼け止めとしてではなく日焼け後のサプリメントとしての摂取自体は”皮膚のダメージ回復”という観点として意義があるかもしれません。
米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology)は≪このようなサプリメントをサンスクリーン剤や日焼け対策衣類の代替品として使用するべきではない≫という見解が発信されています。(ページ下に原文記載)そのため、今のところこのようなサプリメントだけでは、太陽の有害な紫外線から十分なレベルでの保護が得られるという科学的根拠はないのです。
皆さんもご存知の通り、サンスクリーン剤はSPF(サンプロテクションファクター)が15以上の広範囲日焼け止めは、日焼けを予防して日光が原因の皮膚がん及び、光(ひかり)老化のリスクを軽減することが科学的に証明されています。その光老化対策として、サンスクリーン剤の日常的な使用がとても大切です。
今現在は十分な証明がないので、サプリメントを飲んだから日焼け止めはなくて大丈夫。ではなく日常的にサンスクリーン剤の使用を進めします。紫外線等の太陽光に含まれる有害光をしっかり避けることが重要です。
対策の基本
*紫外線環境保健マニュアル2015(環境省作成)による対策
サンスクリーン剤の選び方
ポイント
- ①UVBとUVA両方に、できれば近赤外線(NIR)にも有効なものを選ぶ
- ②SPFは15以上、PAは+以上のものを使う
- ③少し厚塗りになるように塗る
- ④汗で流れたりしたら、塗りなおしをする
米国皮膚科学による飲む日焼け止めについての警告記事
American Academy of Dermatology statement on oral supplements for sun protection
Recently, there has been discussion in the media about oral supplements that claim to provide protection from the sun. The American Academy of Dermatology (Academy) wants to alert consumers that these pills should not be used as a replacement for sunscreen or sun-protective clothing. There is currently no scientific evidence that oral supplements alone can provide an adequate level of protection from the sun’s damaging ultraviolet rays.
Sunscreen is the only form of sun protection that is regulated by the U.S. Food & Drug Administration (FDA). Broad-spectrum sunscreen with a Sun Protection Factor (SPF) of at least 15 has been scientifically proven to prevent sunburn and reduce the risk of skin cancer and early skin aging caused by the sun. Regardless of whether you choose to take oral supplements, the Academy recommends you seek shade, wear sun-protective clothing and apply a broad-spectrum, water-resistant sunscreen with an SPF of 30 or higher.
[ American Academy of Dermatology,– See more at : https://time.com/5288339/fda-sunscreen-pills/]